会談に臨み、握手する岸田文雄首相(右)と公明党の山口那津男代表=首相官邸で2024年6月25日午前11時24分、平田明浩撮影

 岸田文雄首相(自民党総裁)は25日、首相官邸で公明党の山口那津男代表と会談し、8月から3カ月限定で再開する電気・ガス代の負担軽減策の財源に予備費を活用する考えを伝えた。

 首相は21日の記者会見で、物価高対策として、早急に着手可能で即効性のある対策と、秋に策定を目指す経済対策の「2段構え」で対応すると表明。第1弾は電気・ガス代の負担軽減策の再開やガソリン代補助の年内継続などを、第2弾は年金世帯や低所得者世帯を対象とした追加の給付金などを実施する検討に入っている。

 山口氏は会談後、記者団に「与党として今週中にできるだけ早く、政務調査会で考え方を整理し、政府に緊急要望したい」と述べた。

 自民は25日、政調全体会議を開き、負担軽減策に関する緊急提言案について、渡海紀三朗政調会長に対応を一任した。

 提言案によると、5月分で終了した電気・ガス代の負担軽減策について「今夏の酷暑を乗り切るため、改めて緊急支援を行う」と明記。負担軽減策がなかった場合と比べて、年末までの消費者物価の押し下げ効果が、月平均0・5ポイント以上となるように検討するとした。

 ガソリン代補助については「年内に限り継続する」とした上で、「国際的な脱炭素の流れ等も踏まえつつ、丁寧に状況を見定めた上で、段階的かつ円滑な終了に向けて必要な対応を行う」とも記した。

 会議では提言案に関し、「唐突感がある」「賃上げが物価高騰に対応した最大の解決策という根本的な議論をもっとすべきだ」などの意見が出た。

 公明の赤羽一嘉幹事長代行も25日の党会合で、電気・ガス代の負担軽減策について「唐突な発表はそもそもおかしいのではないか」と苦言を呈した。【野間口陽、竹内望、高橋祐貴】

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