任期満了に伴う東京都知事選は20日告示される。立候補を予定している4氏は19日、東京都内で日本記者クラブ主催の共同記者会見に臨み、少子化対策や若者支援、政治改革のあり方について論戦を交わした。
参加したのは現職の小池百合子氏（71）、参院議員の蓮舫氏（56）、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏（41）、元航空幕僚長の田母神俊雄氏（75）の4人。小池氏と蓮舫氏が公開の場で直接対話するのは、それぞれの立候補表明後初めて。
4人はまず、最も訴えたい主張を手書きしたフリップを手に発言した。
「首都防衛」と書いた小池氏は「子どもや子育て、その世帯を守る。物価高など厳しい環境から生活を守る。都民の命と東京の未来を守る戦いを都民に訴えたい」と述べた。
「若者の手取り増」と記した蓮舫氏は「奨学金の負担、雇用の不安を徹底的に取り除く。若者が元気になれば、結果として税収、社会保険料の増につながる」とした。
「政治屋の一掃」とした石丸氏は「成果を上げない政治屋を一掃したい。『恥を知れ恥を』、これが国民の思い。東京の政治が変われば日本の政治が確実に変わる」と訴えた。
田母神氏は「結果を出す政治」と書き、「都政は都民の安全と豊かな暮らしを実現しなければならない。実現できなければ意味がない。実行能力で判断し、私に任せて」と話した。
少子化対策について小池氏は「母の数を減らしてはいけない」とし、若い女性の健康維持や無痛分娩（ぶんべん）の費用助成に取り組んでいくとした。蓮舫氏は少子化の原因が若者の貧困化にあると指摘。「不安と負担のない東京都をつくる」と抱負を述べた。
田母神氏は「（若者の）所得を増やしてあげることが大事」とし、若者の都民税を半額にするなど経済支援が必要だとした。石丸氏は「都市への集中が（未婚化の）大きな背景であり、そこへの取り組みが欠かせない」との見方を示した。
東京一極集中の指摘については、小池氏が「一極集中だけを問題にしているとパイを切り刻むだけ。国力を失う」と反論。蓮舫氏も「都知事として東京のことを最優先で考えるのはミッションだ」と理解を示した。
これに対し、明治神宮外苑の再開発問題について蓮舫氏は「いったん立ち止まる」と選挙の争点にしていく考えを表明。小池氏は「（争点に）なりません」と即答し、民間の事業だと強調した。【白川徹】
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