長野市議会の最大会派「新友会」は市民との意見交換の場で、政務活動費から「交通費」として参加者に一律3000円を支給。
さらに1500円のケーキセットも提供していたことが分かりました。
専門家は公職選挙法が禁止する「寄付行為」に当たる可能性を指摘していて、新友会は19日、運用を見直す方針を示しました。


新友会・寺沢さゆり議員:
「会派としてお騒がせしていることに対して議会及び市民の皆さまにおわび申し上げます。今後、会派として真摯に対応していきます」

長野市議会の6月定例会。
最大会派「新友会」の寺沢議員は19日の一般質問の冒頭、陳謝しました。


その理由は…

こちらは2023年6月に「新友会」が市民との意見交換の場として、市内のホテルで開いた「政策モニター研修会」です。

この時、参加者72人に1人当たり1500円のケーキ・コーヒーセットを提供していました。

市が公開している領収書では総額は10万8000円に上ります。


さらに、1人当たり一律で3000円の「交通費」も支給していました。49人分で14万7000円となっています。いずれも政務活動費から支出しています。

研修会はこれまで何度も開かれ、その都度、支出していました。市議会事務局によりますと、ケーキセットは「茶菓料」に当たり、「交通費」とともに条例で支給が認められていおり、上限は設けられていないということです。


ただ、金額の高さや一律での支給に疑問の声が上がっています。専門家は「公職選挙法」が禁止する「寄付行為」に当たる可能性も指摘しています。

1500円のケーキセットは…?

全国市民オンブズマン連絡会議・新海聡弁護士:
「いくら何でも1500円は、物価高の今でも高級すぎる。それを目的に人を集めるという色彩が出てくるので、これはやはり寄付になる」

交通費一律3000円支給は…?

新海聡弁護士:
「清算もしないで一律3000円の交付をしたということは、公職選挙法で禁止されている寄付行為に当たると思います」


他の会派は…

共産党長野市議団・野々村博美議員:
「最大会派である新友会に市民への明確な説明を求める」

他の会派も19日、市民への説明を申し入れました。

共産党長野市議団・野々村博美議員:
「基準があったから、なかったからという以前の問題。それ(基準)がなければできないのであれば、しっかり基準をつくっていくということ」

改革ながの市民ネット・鈴木洋一議員:
「長野市議会でこのようなことがあったことは、大変遺憾。しっかりと市民に納得できるように説明をしてもらいたい」


問題を受けて、新友会は非公開で総会を開催。今後は茶菓料の上限を設ける、交通費は実費支給も視野にルールを決めていく方針を決めました。

新友会・小泉栄正会長:
「ご指摘があったので、改善していく。市民目線で、市民感覚を大事にしながら皆さんに認められる金額にする必要がある」

上限の金額などは今後、他の会派とも話し合いながら決めていくということです。

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