県政のかじ取り役を決める鹿児島県知事選挙が6月20日に告示され、7月7日に投開票される。告示まで1週間となった6月13日時点で名乗りを上げている現職と新人2人、あわせて3人の動きを追った。

現職・塩田康一氏
「AIなどの先端的な技術を活用して、生産性を向上させていく」

6月9日、鹿屋市で県政報告会を開いた現職の塩田康一氏。4年間の実績をアピールするとともにこれからの取り組みについて自身の考えを訴えた。

塩田康一氏
「鹿児島県の稼ぐ力の向上が、今後の人口減少社会の中で、地域の活力を維持・発展させていくための重要な課題」

各地を回ったこの日、自民党の議員に加えて国民民主党や連合鹿児島の代表も初めて同行。いずれも塩田氏の推薦を決めていて、支援組織は広がりを見せる。

この日の夜、塩田氏の姿は日置市の居酒屋にあった。草の根の運動を支える支援者たちとの懇談会だ。

支援者
「クリスマスの時はサンタの衣装を着てくれた。こんなおちゃめな知事を見たことがあるのかい。これが本当の塩田知事だよ」

塩田康一氏
「いやいやそれは本当じゃない。サンタに化けてるから」

焼酎のお湯割りを片手に、交流を深めた。

組織と草の根の両方を駆使し、塩田氏が支持拡大を図っていたのと同じ日。元自民党県議の米丸麻希子氏は、キックオフパーティと題したイベントを、鹿児島市で開催した。ドルフィンポート跡地での新たな総合体育館の建設に反対する米丸氏。集まった1000人以上の参加者に、こう訴えた。

元自民党県議・米丸麻希子氏
「体育館整備費の313億円、私はドルフィンポート跡地を使って、鹿児島をもっともっと世界に発信できるものができる。みなさん、鹿児島変えましょうよ!」

6月12日のドルフィンポート跡地。米丸氏は趣味であるヨガを、友人とともに楽しんだ。

米丸麻希子氏
「あの一番高いマンションがあるでしょ。あの高さの建物ができる」

この日集まった友人は、米丸氏と同じ高校の卒業生。

卒業生「ポスター見て『きれいな人だね』というから、『そうです』って。『これはちょっと加工してるかもね』って言った」

卒業生には米丸氏の支援者が多くいるという。

卒業生「人の悪口とか言わない」
卒業生「楽しい方に楽しい方に持っていってくれる。70代80代の卒業生も応援している」

5月31日、いち早くマニフェストを発表したのは、市民団体共同代表の樋之口里花氏。

市民団体共同代表・樋之口里花氏
「県民の声を聞く仕組み、多くの人が声をあげられる仕組みがあるのは、とても重要なこと」

常設型の県民投票条例を制定することを最重要政策と掲げ、川内原発の運転延長や馬毛島での自衛隊施設建設などについて、県民投票を実施すると訴えた。6月1日には樋之口氏の支援団体の結成式が行われた。

ストップ川内原発!3.11鹿児島実行委員会 向原祥隆共同代表
「原発問題も基地問題も県民が一度も判断したことがない。『少なくとも判断させてくれ』と、そう言いたい」

会には反原発の市民団体のメンバーや「自主的な支援」を決めている共産党関係者も応援にかけつけた。

6月11日は、樋之口氏が所属する市民団体のメンバーらとともに、鹿児島市の平和行進に参加。参加者は樋之口氏に期待を寄せる。

新日本婦人の会鹿児島支部 木下加奈支部長
「樋之口氏が県知事になったら市民の声を直接聞いてくれる方だと確信を持って言える。支部の中でも『樋之口さんをいっぱい応援いきたいね』と話している」

3人がそれぞれ後ろ盾を得ながら支持拡大を図る一方、新たに立候補を模索する動きもある。

6月20日、県政のリーダーを決める県知事選は告示の日を迎える。

(情報はいずれも2024年6月13日時点)

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