毎日新聞の取材に応じる静岡県の鈴木康友知事=静岡県庁で2024年6月12日午前10時59分、最上和喜撮影

 静岡県の鈴木康友知事は12日、毎日新聞の取材に応じ、リニア中央新幹線について「国策で始まったことで、国家プロジェクトとしての位置づけもある」と述べ、推進すべきだという考えを改めて強調した。その上で、リニア計画に懐疑的な態度を示している自民党の石破茂・元幹事長に対しては「(リニアを)何の疑問もなく進めておいて、今さら何を言うのか。そこはちょっと無責任だ」と批判した。

 鈴木知事はリニアの推進を掲げ、5月の知事選で初当選した。前知事の川勝平太氏は県内の水資源や環境への影響などから、静岡工区の着工を認めてこなかった経緯がある。

 鈴木知事は取材の中で、リニアで東京―名古屋―大阪を一体化させて発展させる国の「スーパー・メガリージョン」構想や、東海道新幹線を補完して災害リスクに備える観点から、リニアの推進に向けて前向きな姿勢を示した。

 石破氏に対しては「仲良く話ができる関係だ」とした上で「石破さんは一つ一つの発言が重い。ここまでプロジェクトを進めてきて『今さら言うなよ』と。もっと早く言ってほしかった」と述べた。

 石破氏は5月、毎日新聞の取材に対して「新幹線より速い列車へのニーズはどこにあるのか」「議論が十分成熟したとは思っていない」などと疑問を呈していた。【最上和喜】

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