参院の政治改革特別委員会で質問に立つ立憲民主党の熊谷裕人参院議員=国会内で2024年6月10日、手塚耕一郎撮影

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、自民が提出した政治資金規正法改正案は10日、参院政治改革特別委員会で実質審議入りした。野党側は、現行では使途が公開されない「政策活動費」の10年後公開を盛り込んだ自民案について「抜け穴がある」と批判し、法案修正を求めた。

 立憲民主党の熊谷裕人氏は、自民案が政策活動費で公開対象となる支出について「金銭」に限定している点について、「小切手や商品券で交付できる。まさに抜け穴だ」と追及した。自民の鈴木馨祐氏は、従来の支出が現金だったことを理由に、小切手などの支出は「想定されない」と説明したが、熊谷氏は「法律に書かれなければ『やった者勝ち』になるのではないか」と反論。金銭「等」との記載に法案を修正するように求めた。

 日本維新の会の音喜多駿氏は、政策活動費の公開対象が国会議員に対する支出に限られていることを問題視。「地方議員や政党職員へ政策活動費が支出され、使い道が分からない『裏金』が生まれる余地を残しているのではないか」と批判した。自民の勝目康氏は「地方議員に対して支出することは想定していない」と理解を求めたが、音喜多氏は「まだまだ改善の余地がある。穴をできる限り塞いでいく必要がある」と主張した。【飼手勇介】

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