自らが代表を務める立憲民主党支部への寄付で受けた税優遇について記者団から質問される吉田統彦氏(手前左)。「質問は書面でください」と繰り返した=国会付近で2024年6月7日午後1時12分、田中裕之撮影

 立憲民主党の吉田統彦(つねひこ)衆院議員(比例東海ブロック)は7日、自らが代表を務める党支部に2020~22年に計5000万円を寄付し、所得税の一部を控除される税優遇を受けていたことについて「適切な行為だ」と記者団に語った。

 吉田氏は医師としての収入など国会議員の歳費(報酬)以外の資金を寄付したと改めて主張。「10人のスタッフの生活を支えなければいけない。そのために使用しているということで、私は適切な行為だと考える」と語った。記者団の質問には「質問は書面でください」と繰り返し、その場での説明を打ち切った。

 事実上、政治家と一体となっている政党支部への寄付で税優遇を受けることは「抜け道」と指摘されてきた。

 立憲は国民民主党と衆院に共同提出した政治資金規正法改正案で、優遇の対象とならない措置を付則に明記。与党などの賛成多数で衆院を通過した自民党案も「必要な措置」を講じるよう付則で定めている。

 立憲の泉健太代表は7日の記者会見で「違法ではないが、道義上どうなんだと取り沙汰される中で、議員ごとに(税優遇を受ける事例が)散見される。ルール化は必要だ」と指摘。約10年前にも問題になったことに触れ、「その時に国会議員だった人たちには道義的におかしいと、意識として共有された時期があった」と述べた。

 国民民主の榛葉賀津也幹事長は会見で「法的にはギリギリセーフなのだろう。しかし、道義的には国民から理解されないのではないか」と批判した。

 吉田氏は09年に旧民主党公認で初当選。12、14年は落選したものの、17年に立憲公認で返り咲き現在3期目。【田中裕之】

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