衆院憲法審査会で発言する自民党の中谷元氏(右から3人目)。左から2人目は立憲民主党の逢坂誠二氏=国会内で2024年6月6日午前10時57分、平田明浩撮影

 衆院憲法審査会は6日、自由討議を実施した。自民党の中谷元・与党筆頭幹事は憲法改正の条文案を起草する場として、全会派が参加する幹事懇談会の開催を改めて提案した。国会閉会中に議論を続けたい意向も示した。

 自民、日本維新の会など4党1会派は、緊急事態が発生した場合の議員任期延長の改憲案について起草作業を進めるよう繰り返し要求しているが、立憲民主党や共産党は反対している。自民は5月30日、立憲に今月4日の幹事懇開催を提案したが、開催されていない。

 中谷氏は審査会で「大切なのは反対の人も含めて憲法審で議論すること、みんなで案を作っていくことだ」と述べ、反対会派を含めた幹事懇の開催を提案。また、緊急事態での国会機能維持などについて「さらに深掘りの議論を進めていくために、改めて現時点での共通認識を整理し、条文イメージ作成の土台となるような論点整理と基本的な考え方を示していきたい」と語った。

 岸田文雄首相は、9月までの党総裁任期中の憲法改正に意欲を示すが、今月23日の国会会期末までの憲法審の定例日はこの日を除いて2日のみ。自民の浜田靖一国対委員長は5日、憲法改正について「審議時間(の確保)はなかなか厳しい。我々とすれば今ある法案を全て通すための努力を優先すべきだと考えている」と述べ、今国会中の発議は困難との見方を示している。

 これに関し、維新の小野泰輔氏は「今国会では発議できないと言い切るのか。それとも今国会が終わったとしても、本気で閉会中も(憲法審を)開催して今までの遅れを取り戻すのか」と中谷氏に質問。これに対し、中谷氏は「私は本気だ。閉会中も含めて全力を挙げて取り組んでいく」と述べた。【高橋祐貴、源馬のぞみ】

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