塩野義製薬(本社・大阪市)が開発した新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省の専門家部会は24日、製造販売の承認を了承した。18歳以上を対象とした初回接種用で、既存のコロナワクチンを接種した人の追加接種は認められていない。

 今回承認が了承されたワクチンは従来株に対応。「組み換えたんぱく」というタイプで、国内メーカーとしてこれまでに承認を受けた第一三共のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンや、mRNAに改良を加えた「Meiji Seika ファルマ」の「次世代型」のワクチンとは仕組みが異なる。

 塩野義は2022年11月、国内の製薬会社として初めて新型コロナワクチンの承認を申請。だが、追加接種の臨床試験で、英アストラゼネカや米ファイザーのワクチンと比較して、ウイルスの働きを抑える「中和抗体」の値が想定されるより低かったため、昨年7月の部会では「有効性を明確に説明することが難しい」と判断され、結論が持ち越されていた。

 今回は、参考資料として提出されていたベトナムでの初回接種の臨床試験の結果をもとに、有効性と安全性を確認した。

 新型コロナワクチンは今年度から、65歳以上の人と、60~64歳で重症化リスクの高い人が対象の定期接種となった。

 世界保健機関(WHO)は、オミクロン株から派生した「JN.1」に対応するワクチンの使用を推奨している。(藤谷和広)

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