宮城県が主導する仙台医療圏の4病院再編構想を巡り、村井嘉浩知事は26日、仙台赤十字病院(仙台市)と県立がんセンター(名取市)を統合する新病院の開院時期が、当初想定していた2028年度から2年ほど遅れる見込みを明らかにした。
同日あった県議会9月定例会で、渡辺勝幸氏(自民党・県民会議)の代表質問に答えた。
県と病院側は昨年12月、両病院の統合に向けた基本合意を締結。新病院は名取市に置き、病床規模は約400床。日本赤十字社が運営主体となり、28年度中をめどに開院するといった内容だった。
村井知事によると、県と病院側は現在、東北大も交えて医療機能などについて協議中で、年内をめどに基本構想を取りまとめ、その後、基本計画を策定する。ただ「設計、建設工事などの工程を踏まえると、現時点では開院までに当初の想定よりも2年程度時間を要する見込みとなっている」と説明した。
一方、4病院再編のもう一つの組み合わせの県立精神医療センター(名取市)と東北労災病院(仙台市)を富谷市に移転・合築する構想については、県はこれまで富谷市に同センターの本院を置き、名取市に分院を設置する案を示していた。
ただ村井知事はこの日、「富谷市に段階的に本院機能を移行する案や、本院の機能を名取市に設置した上で県北部の患者の精神科医療にも対応する形など、様々な対応案を検討している」と述べ、富谷市への本院移転にこだわらない姿勢を明らかにした。(中島嘉克)
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