宮崎県内では、先週から引き続き、幼児を中心とした感染症「手足口病」が流行警報レベルを超えています。

さらに、全国的には死に至ることもある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の今年の報告数が、過去最多だった去年を上回りました。

医師は、こうした感染症の対策を徹底するよう呼びかけています。

宮崎市の「たかぎ小児科・心臓小児科」。
高木純一院長は、最近、患者が増えている2つの感染症について、注意を呼びかけます。

(たかぎ小児科・心臓小児科 高木純一院長)
「インフルエンザの流行が収まってきて、今、その中でも多く見られるというのは『手足口病』とか、あとは『RS(ウイルス感染症)』とか、そういうふうな疾患が、今のところ、診療の中では認められます」

一つは、幼児を中心に手のひらや足の裏、口の中などに小さな水疱ができる感染症「手足口病」。

県によりますと、県内の定点医療機関で今月3日までの1週間で報告された「手足口病」の感染者の数は182人、1医療機関あたりの報告数は5.75で、例年同時期の平均値のおよそ2倍となっています。

(たかぎ小児科・心臓小児科 高木純一院長)
「感染経路に関しては、咳とかくしゃみなどによる飛沫感染とか、接触感染、便中のウイルスが口に入る糞口感染という形が考えられます。手洗いを徹底してやっていただくということが一番大事な予防策じゃないかなと考えます」

また、手足口病に加えて、感染者が増加しているのが「RSウイルス感染症」。
症状としては、発熱や軽い風邪などの症状から重い肺炎まで様々ですが、生後6ヶ月以内の乳児の場合は細気管支炎や肺炎など重症化する場合があります。

(たかぎ小児科・心臓小児科 高木純一院長)
「一歳未満のお子さんがかかると、細気管支炎というのがあって、呼吸障害が出てきて、ミルクが飲めないとか、いろんな状況出て、入院を余儀なくされる場合があるわけです。大半は風邪ウイルスで終わるのですけど」

一方、子どもだけではなく大人も注意が必要な感染症が全国的に流行しています。

それは「人食いバクテリア」との呼び名を持つ「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」。

国立感染症研究所は、今月11日、「劇症型溶連菌」の患者数が、過去最多だった去年を上回り977人となったことを発表しました。

また、県によりますと今年に入り、県内では9人の感染が報告されています。

なぜ、今、全国的に増加傾向にあるのか、微生物学が専門の峰松俊夫医師は。

(愛泉会日南病院 峰松俊夫医師【微生物学専門】)
「溶連菌は、比較的、口の中にいる細菌で、通常は急性咽頭炎とか引き起こしたりする細菌なんですが、実は、近年、外国から新しい溶連菌の株が入ってきました。重症の病気になる株で、日本で最近増えてきたのが一つの要因だと思います」

外国から入ってきた新しい株というのが、「M1UK株」。

皮膚を赤くする毒素が通常の溶連菌の9倍、さらに、感染が広がりやすいのも特徴だといいます。

この「M1UK株」に感染してしまうと、傷口の腫れや壊死、それに、多臓器不全などの症状が出る場合があり、致死率は3割から5割にのぼるということです。

(愛泉会日南病院 峰松俊夫医師【微生物学専門】)
「通常の咽頭炎だと、病院に行って、薬をもらって、それで普通に治るということだが、劇症型になると、午前中に病院に来院されて、午後にはICUで昏睡状態になっている。そんな急激に状態が変わるような感染症です」

幅広い年代に感染し、健康な人も感染するリスクがある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」。
日ごろから感染対策を徹底することが大切です。

(愛泉会日南病院 峰松俊夫医師【微生物学専門】)
「予防策としては、通常のコロナと同じような飛沫感染ですけれども、手指衛生、傷があったらすぐに消毒するそういったことが大事になります。全ての年齢で感染対策は頭において頂きたいなと思っています」

※MRTテレビ「Check!」6月13日(木)放送分から

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